地盤改良の養生期間も終わり、基礎工事を開始しました。
基礎屋さんが重機を巧みに操り、不要な土を出していきます。
基礎の下を締め固めるために15cm砕石を敷き詰めるので、その分土が下がっているか確認します。
砕石打設後は地中からの湿気を防ぐために防湿シートを張ります。
捨てコンクリートを打設します。この捨てコンクリートには3つの役割があります。
1つは基礎の高さを出しやすくするため。
砕石は一定の厚みで打設しても多少デコボコになってしまいます。
高さの平均を出すために捨てコンクリートを打つことで、高さが計りやすくなり作業効率が上がります。
2つ目は型枠の位置を出す「墨出し」がやりやすくなるため。
基礎はミリ単位で造られるため、位置が正確に出ていなければなりません。
捨てコンクリートは表面が固く平坦なので墨出しがしやすく、墨がハッキリと付くので作業効率が上がります。
3つ目は鉄筋のコンクリートかぶり厚を確保するため。
実はここが重要です!
そもそも鉄筋は一定の厚みでコンクリートに覆われていないと強度を発揮しません。
しかし、作業中はどうしても組み上げられた鉄筋の上を歩かなければならず、人の重さで鉄筋が下がってしまうリスクがあります。
鉄筋が下がらないようにスペーサーという支えを鉄筋の下にかませますが、下が砕石だとめり込んでしまい、そのままコンクリートを打ってしまうと充分なかぶり厚を確保出来ない可能性があります。
捨てコンクリートを打設すればスペーサーが下がることがなく、かぶり厚の管理がしやすくなります。
捨てコンクリートの面積を減らせばコストカットすることができます。
それも経営上合理的な判断かもしれません。
しかし、弊社では基礎全体のかぶり厚を確保するために捨てコンクリートは全面打設するようにしています。
捨てコンクリートは構造体ではないですが、コンクリートのかぶり厚を確保するための重要な役割を果たしています。